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ハルの病室-昼

和馬

「すまん、とりあえずこの部屋掃除したいんだが、いいか?」

 

どう声を掛ければいいのか少し考えたが、会ったばかりの俺には結局何も言うことはできなかった。

 

ハル

「どうぞどうぞご自由に~」

 

ハル

「見てていい?」

 

和馬

「……どうぞどうぞご自由に」

???

ハル

「どうして和馬にそんなもの向けるんですか!?」

 

 

二択に一つ、どちらを選んでも地獄。

絶対的な危機的状況。

和馬の頬から玉の様な汗が流れ落ちる。

雪枝
「お帰りなさいお父様。お仕事お疲れ様です。」


雪枝
「私達はこれから食事を取るのですが良かったらご一緒に──」


雪枝は蒼一郎の前に立って食事へ誘っている。


だが蒼一郎の顔はいつもと変わらない眉を潜めた顔のままだ。

水無瀬家-玄関

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